新人看護師1年目・6月のリアルな体験談~「できて当たり前」に直面した1か月~

6月はどんな気持ちで始まったか

6月に入る頃、業務の流れには少しずつ慣れてきた実感がありました。何を優先して動けばいいのか、次に何が起こるのか――


少し先を考えながら行動できるようになってきたと思います。

その一方で、周りを見る余裕が出てきたからこそ、

「ミスをしたらどうしよう」

という不安は以前より強くなっていました。


新人だからと許される時期が、少しずつ終わりに近づいている気がして、気を抜けない状態が続いていました。

6月に一番しんどかったこと

6月には注射の研修がありました。


点滴のルート確保(血管に点滴用の針を入れて点滴を流せる状態を作ること)や採血など、これまで見てきた技術をいよいよ自分の手で行う段階に入りました。研修の翌日から、実際に病棟で採血を行うことになりました。

新人として初めての採血でしたが、患者さんに「初めてです」とは言えません。

不安があっても、それを悟られないように、慣れた手つきで当たり前のように技術をこなす必要がありました。

先輩についてもらった状態で患者さんのもとへ行き、実践しました。

手順は頭に入っているはずなのに、その場に立つと心臓の音がやけに大きく聞こえました。

とても緊張していたことを今でもはっきりと覚えています。


何とか1度で成功させることはできました。けれど、もし失敗していたらと思うと、患者さんや先輩に迷惑をかけていたかもしれません。

「できて当たり前」の場面で、新人であることはもう言い訳にならないと感じました。

この頃から、「できてよかった」よりも「できなかったらどうしよう」という気持ちのほうが強くなっていた気がします。

一番印象に残っている出来事

高齢の患者さんが多い病棟では、認知症やせん妄(突発的な意識や考えが混乱した状態)などにより、やむを得ず身体抑制(安全確保を理由に患者さんの動きを一時的に制限すること)を行うことがあります。

抑制に関する同意書はあらかじめ取得していますが、実際に抑制されている様子を見て、強く不満を訴える家族もいます。

抑制をしなければ、本人や他の患者さんの安全が保てない状況でも、面会時に「なぜこんなものを付けているのか」と言われることがありました。

そのため、その患者さんは面会中のみ抑制を解除し、家族が帰る前に看護師へ声をかけてもらう決まりになっていました。

私はそのことを家族に説明し、患者さんの部屋を離れました。


約30分後、先輩から「あなたの受け持ちの〇〇さん、転んでるよ」と言われました。


頭が真っ白になりました。


家族はどうなったのか。面会は終わっていたのか。声をかけてもらえていたのか。
不安な気持ちのまま部屋へ向かうと、家族はすでに帰っており、抑制もされていない状態でした。

幸い、患者さんに大きな怪我はありませんでした。それが、働き始めて初めて経験したインシデントでした。

この出来事を振り返り、強い後悔が残りました。

ほんの少しの時間でも、患者さんから目を離してはいけなかったのだと思いました。「少しも目が離せない」ということを身をもって知った出来事でした。

さらに同月には、出勤途中に車両事故を起こしてしまうこともありました。

6月の車両事故の詳細は今後記録として、別途記事にしようと思います。


仕事の緊張や疲れが抜けないまま、毎日を過ごしていたのだと思います。

心にも体にも余裕がなくなっていることに、その時は気づけませんでした。

次から次へと起こる出来事に、「自分はこの仕事を続けていけるのだろうか」そんな不安が、頭から離れなくなっていました。

それでも救われた・支えられたこと

インシデントを経験し、気持ちは大きく落ち込みました。

自分の判断は正しかったのか、もっとできたことがあったのではないかと、何度も考えました。

そんな中で、先輩から「大事なのは、次にどうするかだよ」と声をかけてもらいました。

その一言に、少しだけ気持ちが軽くなりました。

独りで抱え込まなくていいのだと、初めて感じました。

無理をしないよう気遣ってくれる人がいること、見守ってくれる人がいることが、心の支えになりました。


この経験を通して、周囲に頼ることの大切さを学びました。

完璧でいようとするよりも、助けを求める勇気のほうが大切なのだと思うようになりました。

今の自分から、6月の自分へ一言

6月のあなたは、失敗を経験しても、逃げずに向き合っていました。

怖さや不安を抱えながらも、毎日現場に立ち続けていました。

完璧じゃなくていい。

うまくできない日があっても、それで立ち止まっているわけではありません。

迷いながら、立ち止まりながらでも、ちゃんと前に進んでいます。

あの頃のあなたは、十分に頑張っていました。

自信がなくても、できない自分に落ち込んでも、それでも仕事に向き合っていたことを、今の私は知っています。

だからどうか、6月の自分に伝えたいです。
「ちゃんと頑張っていたよ」と。

最後に…

7月から、検査出しを任されるようになり、受け持ちの患者さんの人数も増えました。

業務量が一気に増え、思うように休憩が取れない日もありました。仕事には少し慣れてきたはずなのに、
心にも体にも余裕がなくなっていくのを感じていました。

「もう大丈夫なはずなのに」

そんな気持ちとは裏腹に、限界に近づいていた気がします。


次は、そんな7月のリアルな体験について、
正直な気持ちを書いていこうと思います。

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